ほんのちょっとの違和感だった ページ6
今朝はいつもより少し体が怠いな、と感じただけだった。あとは少し頭がぼーっとするくらい。けれどそれはただ寝起きだからとか、夜遅くまで本を読んでいたから寝不足なだけだろう。だから特に問題はないと。
学校には普通に登校した。時間が経てばきっとこの違和感は消え、いつも通りになるはず。そう思っていた──のだが。
まさか逆に、悪化する結果になるなんて──。
体は今朝よりも重くなり体温が上がっているのか、やけに暑い。おまけに頭痛もし始めて上手く頭が回らない。此処まで来れば今自分がどういう状態なのか、はっきりと分かる。おそらくこれは、風邪、なんだろう。
まさか風邪をひくとは。別にそうなるようなことはしてない、と思う。思い当たる節は──最近夜更かしが続いていたことだけ。でもそんなことで体調を崩すほど私の体は弱くないはず。いやもしかしたら私が自覚していないだけで、本当は体に疲労が溜まっていたのかもしれない。そうだったならその原因はおそらく身体的と言うより精神的から来たものだろうな。
何とか昼休みまではもったけれども、流石にしんどくて午後の授業の内容が入らないだろう。そしてこのまま更に体調が悪化してぶっ倒れたら確実に周りに迷惑を掛けてしまう。それだけは何としても回避しなければ。
なので私はようやく重い腰を上げて保健室へ行くことにした。
「はあ、はあ……っ」
廊下には空腹を満たす為に食堂へ急ぐ生徒や、午前の授業から解放されて生き生きとしている生徒達の姿があって、先程まで静かな雰囲気が打って変わって賑やかになっている。その喧騒に紛れるようにして私は一歩一歩、ゆっくりと保健室への道を進んでいく。出来るだけ端に寄って、気配を殺しながら。
今まで座っていたから分からなかったけれど歩くだけでもしんどい。この体の感覚は久々な気がする。最近は環境が良くなったおかげで少しも体調が悪くなる感じがしなかった。以前は常に体が重く動くのが酷く億劫だったから。きっとその油断が招いたんだろうか。
早く横になりたい、楽になりたい気持ちが強くなる。保健室までは、まだ少し遠い。辛いけど頑張らなくては。
「おい、早く行かんと売り切れるで！」
「ちょ、待てよ！ 抜け駆けすんな！」
「ああ！ まだあってくれよー！」
頭の奥がズキズキと痛む。朦朧とする意識の中では他の音は何処か遠くに聞こえて。自分のことで精一杯だから、いつもより周囲への注意が散漫になっていた。
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抹茶ちよこ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます✨面白いと言って頂けてとても嬉しいです！基本シリアスな内容なので読者様からしたらつまらないのでは…と実は心配してました(苦笑 応援ありがとうございます。頑張りますので最後までお付き合い頂けたら幸いでございます！ (4月11日 22時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します。めっっっちゃ好きです！！夢主ちゃんの性格とかも好みで面白いです！思わず一気読みしてしまいました…更新頑張ってください、楽しみにしてます！ (4月11日 0時) (レス) @page15 id: 71312ff6fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年3月23日 18時
